旬の農作物なう!

雪若丸:播種

2020.05.18掲載

2018年、山形県オリジナルのお米の新品種「雪若丸」が本格デビューしました。「つや姫」に続くブランド米で、際立つ白さとつやがあり、しっかりとした粒感や粘りが特長です。山形県村山地域においても盛んに栽培されています。

4月下旬、山形市の平吹拓也さんの作業場に伺いました。平吹さんは16年目の若手農家で、親子2代でおいしい米づくりに励んでおり、「雪若丸」の他にも「はえぬき」や「つや姫」を栽培しています。


@ 播種作業は、このようなベルトコンベア式の播種機を用いて行われていました。
写真奥から手前に向かって、育苗箱が流れてきます。

A まず初めに、育苗箱を播種機にセットし、育苗箱の深さ半分程度まで床土を入れます。育苗箱に敷いている白い紙は「育苗シート」と呼ばれるもので、これを使うと根張りの良いマット苗ができます。

B 床土を入れ、平らにならした後、灌水をします。

C 種籾を均一に播き、覆土をします。雪若丸の種籾は他の品種より大きいので、播種量の調整に気をつかいます。

D 播種が終わった育苗箱です。これから育苗ハウスへ運ばれます。

E 育苗の様子です。苗はきれいに出揃いました。今後は、田植えまで丈夫な苗づくりを目標に、こまめな温度管理を行っていきます。

次回は、田植えの様子を取材します。

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雪若丸:田植え

2020.05.28掲載

5月18日、田植えの様子を取材しました。平吹さんの「雪若丸」の田植えは3日前から行われており、いよいよ最後の田んぼです。この日は家族3人で作業していました。


@ 田植え前の「雪若丸」の苗です。草丈12cm、葉数3枚程度で揃っており、苗の生育は良好です。

A 苗を田植え機にセットします。

B 育苗箱から苗を取り出すと、白い根がびっしりと張っているのが見えました。

C 出発です。一度に8条ごと植えていきます。

D 1往復で3分もかからず戻ってきました。作業が速いだけでなく、真っ直ぐきれいに植えられています。

E 田植え機が戻ってくるまでの間、育苗箱を洗ったり、苗を運びやすいよう台車を移動させたりとチームワークの良さが見られました。

F 30aの田んぼですが、約40分で田植えが終わりました。

今後の「雪若丸」の生育が楽しみです!

次回は、中干しの様子を取材します。

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雪若丸:中干し

2020.07.14掲載

6月29日、平吹さんの田んぼに伺いました。田植えから1か月以上経過し、順調に生育しています。この田んぼでは茎数が十分に確保されたことから、「中干し」に入っています。
今回は、中干しの効果を高める「作溝(さっこう)」作業を取材しました。


@ 「雪若丸」の様子です。「雪若丸」の適正な葉色は、他の品種よりも濃いのが特徴です。

A この機械に乗って溝を切ります。前日の雨でちょうど良い土の硬さになっていました。乾きすぎると土が硬くなり、作業しにくいそうです。

B 14〜20条おきに、田んぼの中を走ります。

C 機械を持って移動する負担を軽くするため、一筆書き状に溝を切れるよう経路を考えるそうです。

D 田んぼの内側が終わると、外周の作溝を行います。時々機械から降り、手で掘ってすでに作った溝とつなぎ合わせます。

E 「作溝」作業が終わりました。

適期に中干しを行い、過剰な分げつを抑制することで、食味の向上につながります。
取材終了後も、平吹さんはまた別の田んぼへ移動して作業するとのことでした。
収穫まで、まだまだ作業は続きます。

次回は、穂肥の様子を取材します。

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雪若丸:穂肥

2020.08.20掲載

今回は「穂肥」について紹介します。


@ 7月8日、雨の合間に穂肥を行っていました。「雪若丸」の穂肥時期の目安は、出穂の25日前となっています。

A 肥料の量は生育診断の結果に基づいて決めます。

B 動力散布機を背負って、田んぼの周りを歩きます。この筒を通って肥料が遠くまで飛んでいきます。

C 8月5日の「雪若丸」の様子です。この田んぼでは、出穂期(40〜50%の茎が出穂した時期)を迎えました。

D 出穂を確認する平吹さん。今年は7月に気温が低かったため、出穂期が予想より2日ほど遅かったようです。

雨が多く、日照が少ない7月でしたが、順調に生育していました。
今後は、水管理や病害虫防除を適切に行いながら収穫を目指します。

次回は、刈り取り・乾燥・調製の様子を取材します。

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雪若丸:刈り取り・乾燥・調製

2020.10.02掲載

田植えから約4か月、いよいよ収穫です。


@ 9月16日、取材に伺うと、刈り取り作業が始まっていました。侵入口から右に大きくカーブして、こちらに向かっています。

A なぜ一直線に進まないか聞いてみると、左回りに刈り取るためだそうです。こうすることで、運転席側から条に合わせて刈り取り始めることができます。

B 刈り取りを行いながら、この田んぼ1枚で計3回、コンテナに籾を排出します。

C 30aを1時間程で刈り取りが終了しました。田植えと同様に、作業が早いです!

9月24日、刈り取り後の乾燥・調製作業の様子を取材させていただきました。


D 10年前に建てたという、平吹さん個人の施設です。

E 収穫された籾は、乾燥機で乾燥させます。その後、コンベアで運ばれ貯蔵します。

F 乾燥が終わると、籾すりに移ります。取り除かれた籾殻は、ダクトを通して隣接する貯蔵庫に排出されます。

G 玄米は、右側の選別機で整粒、中米、くず米に分けられます。「雪若丸」の選別では1.95oの網目を使用することで、品質が高まります。その後、左側の色彩選別機で石や籾などの異物やカメムシなどによる着色粒を除去します。

H 今年はくず米や着色粒が少ないそうです。

I 最後に、袋に詰めて完成です。

J 袋から出した整粒の状態です。

K 今年の新米もお楽しみに!

今後も稲刈りが進められ、調製作業は11月上旬まで続くそうです。
「雪若丸」は販売開始から3年目になりました。まだ食べたことのない方は、ぜひ「新食感」を味わってみてください!

平吹さん、取材にご協力頂きありがとうございました。

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