旬の農作物なう!

サマーティアラ:定植後の生育

2012.05.18掲載

東根市若木(おさなぎ)地区で、山形県のオリジナル品種「サマーティアラ」に取組む加藤誠さんを紹介します。

東根市はさくらんぼなどの果樹が有名ですが、冬いちごに取組む近所の生産者を見て、加藤さんは冬いちごに興味を持っていました。ある時、冬いちごに限らず野菜の栽培も学びたいと思い農業大学校に行ったところ、夏秋いちご「サマーティアラ」に出会いました。さくらんぼの収穫が終わったあとに夏いちごを収穫できることに魅力を感じ、ぜひ取組みたいと思ったそうです。

サマーティアラ
@ハウスに入ると加藤さんが黙々と作業をしていました。
サマーティアラ
A栽培面積は8アールです。奥様と2人で管理しています。
サマーティアラ
B定植は3月17日に行いました。順調に生育しています。
サマーティアラ
C小さな花芽が見えています。
サマーティアラ
Dいちご栽培の魅力は手をかけるとそれだけ返ってくることです。

加藤さんは以前に板前の仕事をしていたことがあるそうですが、農業は自分でいろいろ試すことができて楽しい、「やりがいがある」、と言います。

夏秋いちごは、7月から夏を通して11月まで収穫を続けます。「サマーティアラ」はケーキなどに使用される業務用のいちごなので形が命です。

加藤さんが言うとおり、たくさん手をかけなければなりません。 加藤さんががんばっている様子を「サマーティアラ」の生育とともにお伝えします。お楽しみに!!

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サマーティアラ:収穫・出荷

2012.08.08掲載

前回、加藤さんの取材を行ったのは5月中旬でした。あれから2か月、加藤さんのお宅では、さくらんぼの収穫も無事に終わり、サマーティアラの収穫が7月から本格的に始まっています。取材にお伺いすると、作業舎でいちごの選別をしていました。

サマーティアラ
@収穫してきたいちごをサイズごとに出荷用トレイに分ける作業をしています。
サマーティアラ
A普通のはかりのように見えますが、このはかりは、トレイからいちごを1個取ると、その1個の重さを声で教えてくれるのです。
サマーティアラ
Bいちごのサイズに合うトレイにいちごをつめます。ひとつひとつの手作業です!
サマーティアラ
C着色が進んでしまったものは別のトレイに入れて出荷します。サマーティアラという名前の通りキラキラ輝いています。
サマーティアラ
Dケーキにのせるイチゴですから、形が命です。規格がきちんと決められているのです。
サマーティアラ
E規格に沿わない果実はパックに詰めて直売所に出荷します。
サマーティアラ
F畑では今、古葉取りや規格外となった果実を除去する作業も行っています。
サマーティアラ
G今、ハウスで見られる果実は2週間位で収穫となります。

今はとても暑い時期でいちごの着色が進みやすいため、収穫は朝と晩の2回行い、夜にも出荷調整作業を行うこともあります。そして、暑い夏のいちごは傷みやすいため、出荷前には必ず3時間は冷蔵庫で冷やすなど、細心の注意を払います。

忙しい日々が続いていますが、加藤さんは「いちごが成るととてもおもしろい!」そうです。

ケーキに乗っている形がキレイでツヤツヤないちごには、1個1個収穫、調整に注意を払った生産者の熱意がこもっていたのですね。

次回はハウスの暑さ対策について取材する予定です。実はいちごは暑さに弱い作物なのです。お楽しみに。

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サマーティアラ:養液栽培

2012.08.31掲載

さて、今回はいちごの「養液栽培」という栽培方法について加藤さんに聞いてみました。
土の代わりにヤシ殻を使った栽培槽を、作業がしやすい高さに設置した「高設ベンチ」を準備します。そこに、サマーティアラを植えて肥料を溶かした水を流して栽培します。これを養液栽培と言います。

高設ベンチ
@ハウスに入ると、高設ベンチがズラリ。加藤さんが自ら組み立てたものです。
養液栽培に使う肥料
A養液栽培に使う肥料(2種類) を水に溶かして使います。
養液タンク
B溶かした液はこのタンクに入れます。200リットルは入りますね。
制御コンピュータ
Cこの機械を使っていちごに与える養液の回数、量などを制御しています。加藤さんが生育を見ながら設定しています。
サマーティアラ
D時間になると設定どおりの養液をタンクから吸い上げて、、、
サマーティアラ
E塩ビパイプを通ってベンチに養液が流れます。
モニタリング
F養液濃度が適正かどうかモニタリングもおこないます。注射器のようなものでベンチ中の養液を吸引しています。
養液濃度の測定
G定期的にベンチ内の養液濃度を測っています。
毎日の濃度チェック
Hこまめにベンチ内の養液濃度をチェックすることで、いちごがどの程度養分を必要としているのかがわかってくるのです。

土で栽培する方法と違って、養液栽培はいろんな機械の操作も大変そうです。けれども、養液栽培はベンチの地面の温度を低く保ったり、病気が発生しにくいなど利点も多く、高品質ないちごを作ることができるのです。

サマーティアラは県内の栽培者全員が高設ベンチによる養液栽培を行っています。

これからの時期もサマーティアラをぜひチェックしてみてください。

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サマーティアラ:高温対策

2012.09.10掲載

今年は猛暑日が続きました。晴れた日はビニールハウスの中が簡単に40℃を超え、作業するのも大変ですが、いちごの生育も暑さで停滞ぎみとなります。いちごは高温に弱い作物なので、高温対策を講じて栽培しています。

今回は加藤さんにハウスの高温対策について聞いてみました。

摘果の様子
@高温のため、受粉がうまくいかなかった形の悪い果実などを摘果しています。
摘果後の果実
A摘果が終わり、形の揃った果実が収穫を待っています。
社交用ネット
B暑い時間帯になると、ハウス内に白い遮光用のネットを広げて、太陽の強い光線を遮ります。
風通し
C暑い空気はハウスの上の方にたまりますので、上のビニールを切り取って、防虫ネットを張ります。これで、ハウスの中の熱気は外に逃げていきます。
扇風機
D遮光ネットの上に見えるのは扇風機。工場用の大きな扇風機がハウス内の熱気を外に逃がす役割を果たしています。
地下水のチューブ
E黒いチューブを株の横に設置して冷たい地下水を流すことで、いちごの株を冷やすことができます。

いちご栽培で夏の暑さに負けないようにするために、このようにいろいろ工夫をしています。7〜8月の暑い時期が過ぎると、サマーティアラにとって最も生育しやすい気候になり、収穫量も多くなります。鈴なりにいちごが成っているサマーティアラは大変 見ごたえがあります。

取材は今回で終了しますが、その様子はトップページの「農ウォッチング」にアップしますのでお楽しみに。

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