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ホーム > 旬の農作物なう!:つや姫
2012.05.16掲載
4月20日金曜日、つや姫の種まきの準備をしている山形市在住の伊藤徹雄さんのお宅にお伺いしました。
伊藤さんの稲作面積は約6ヘクタール、うちつや姫は1.8ヘクタール作付け予定です。農作業は種まきと稲刈り以外はほとんど1人で作業するそうです。伊藤さんが初めてつや姫に出会ったときの感想を聞くと、「他の品種と比べなくても白い。色白美人だね。甘み、うまみがあり、粘り過ぎないからいいと思った」といいます。栽培については基本技術をしっかり行うことで、常に品質が同じでよいものを作ることを心がけています。
@黙々と作業を続ける伊藤さんです。
A用意されている育苗箱はなんと1500枚!うち500枚くらい「つや姫」のために用意しています。
Bベルトコンベアーに育苗箱を入れていきます。
C種籾が敷き詰められました。
D土をかぶせた育苗箱が出てきました。
E5月7日緑のじゅうたんのようになっています。
伊藤さんが子供の頃からの記憶を話してくれました。
伊藤さんは1969年に高校を卒業し本格的に農業に取組むようになりましたが、子供の頃からお家の稲作を手伝っていました。一番小さい頃の記憶は、田んぼに挿してある杭(稲杭)に帯でつながれてそこで遊んでいたことです。
小学校2年生の頃には田植えをしている人(その頃は機械はありません)に苗を投げる作業をやり始めました。5〜6年生には大人と同じ田植作業ができるようになりました。
今後、伊藤さんと「つや姫」の生育を追っていきます。ぜひご覧ください。
2012.05.30掲載
5月18日金曜日、伊藤徹雄さんが「つや姫」の田植えをする日です。その日は朝から雨が降っていてやや肌寒かったのですが、伊藤さんが言うには「明日は晴れるから心配ないでしょう」とのことです。
@ トラックにたくさんの苗が積まれています。
A今年の苗は根張りがすばらしい!と奥様が見せてくれました。
Bこれは何でしょう。苗を育苗箱からはがして運びやすいように丸めたものです。
C苗を田植機に乗せます。
D行ってきます。
E向こうで旋回してきます。
F帰ってきました。この田んぼ(30アール)で8往復します。90分くらいかかります。
G5日後、5月23日の様子です。
伊藤さんの田植機は、一度に6条分を植えることができますが、伊藤さんが高校生の頃はまだ手で植えていました。なんと田植え休み、稲刈り休みというのがあったそうで、学校を休んで作業をしたそうです。
お手伝いに来てくれた方々には、お昼ご飯におにぎり、お煮しめ、塩ほっけ、つけもの、夜はお酒とお刺身でおもてなしをしたとか。
今後、伊藤さんの「つや姫」がすくすくと生育することを期待しましょう。
2012.07.10掲載
6月28日、山形市は最高気温が29.5℃の快晴。伊藤さんがつや姫の「中干し」を行うというのでお伺いしました。
「中干し」は、水田から水を落とし、土にヒビが入るまで10〜14日間乾かします。すると、土の中に酸素が行き渡り、根の成長が促進されるほか、田んぼの土が締まって硬くなるので、秋にコンバインの作業がしやすくなるのです。
また、田んぼの中が排水されやすいように溝を切ります。今日はその「作溝」(さっこう)の作業を紹介します。
@前日に水を落としました。土の表面が見えます。
A伊藤さんがイスと取っ手のついた機械を持って田んぼに入ります。
B機械に乗ってまっすぐ走っていきました。
C機械が通ったあとは、このように10cm程度の溝ができます。そこに水がどんどんたまっていきます。
D田んぼの向こうに着いたら、機械を引き上げて向きを変えます。
E戻ってきました。まるで、田んぼの中をバイクで走っているような光景ですね。
Fこれを10条おきに行います。
G稲の間だけでなく廻りも溝を作ったら、側溝に排水できるように水の出口も作ります。
溝掘り機は自動だけでなく、手で押す歩行型もあります。田んぼの土はドロドロの状態ですから、歩きながら押すというのは大変な作業だと想像できますね。伊藤さんも「作溝」は稲作で1番大変な仕事と言っていました。今出回っている溝掘り機がない頃は、さらに重い溝掘り機だったようです。また、田んぼの端の方は手で溝を掘ることもあったそうです。
機械を使うと伊藤さんの「作溝」は4日で終わります。30aの田んぼに10本掘りますが、昔は3本しか掘らないほど「作溝」が嫌いでした。昭和58年に秋に雨が続き、収穫期になかなか田んぼに入れずに苦労したことがありました。それ以来、根張りをきちんと促すために、丁寧に「作溝」を行うようになりました。
次の作業は「追肥」(ついひ)です。お楽しみに。
2012.07.23掲載
今回はつや姫の「追肥」(ついひ)について紹介します。最初の肥料は田植えの前に入れていましたが、今頃は肥料の効果が切れてきます。そこで、稲の穂が出る30日前のこの時期に、田んぼに肥料をやるのです。これが「追肥」です。
@伊藤さんの田んぼでは定期的に生育を調査しています。葉の色を判断すると追肥をする時期となりました。
Aつや姫専用の肥料を使います。
B伊藤さんが肥料を散布する動力散布器を組み立てはじめました。。
Cこの筒から肥料を飛ばします。
D機械に肥料を入れます。10アールあたり1袋の計算ですが、伊藤さんは葉の色を見て今回は少し少なめに追肥を行うことにしました。
E機械のエンジンをかけたら行ってきます。
F散布口を稲に向けると稲がなびきます。肥料はなんと15〜18mも遠くに飛ぶとのことです。
G肥料は遠くに飛ぶので、中央に向けて30アールの田んぼの周りを歩きます。
H2回目は、稲の色を見ながら、薄いところはやや多めに振るなど量を調整しながら歩いています。
I中干し中で水がありませんが、天気予報によると明日は雨のようです。肥料が溶けて効いてくるでしょう。
伊藤さんが作付けしている全ての田んぼで食味のよいお米を生産するために、茎数、葉の色をいつも気にしています。この日はとても暑かったのですが、田んぼにいるのが楽しくて暑いのは全く気にならないそうです。田んぼは米を作る場所だけでなく、子供の頃からの遊び場でもありました。「稲作が大好き!」とご自身でも言っていましたが、そんな気持ちがとても伝わってきました。
次はいよいよ稲刈りです。9月下旬の取材を予定しています。
2012.11.14掲載
いよいよ、旬の農作物なう!も最終回を迎えました。つや姫の稲刈りと籾摺りを紹介します。稲刈りは9月27日でした。21日に刈るはずでしたが、この頃は雨が降る日が多く1週間以上遅れての稲刈りでした。
10月18日、つや姫の籾摺りの日に伊藤さんの作業舎にお伺いしました。収穫後、玄米はまだ籾につつまれていますが、籾を除去して玄米の状態にするのが籾摺りです。
伊藤さんのお宅ではつや姫の籾摺りは3日間で終わります。その他の品種も含めると10月いっぱいはこの作業が続くとのことでした。このあと、このつや姫はJA山形市の米検査場に運ばれ、そこで品質チェックが行われ、出荷されていきます。
これから冬に入る前に、稲刈後の田んぼを耕うんする作業が残っています。
おいしいつや姫ができるまでの取材を行ってきましたが、農家の人が丹精込めて作った今年の新米をぜひ召し上がってくださいね。おいしいつや姫でみなさんの食卓が笑顔になることを取材担当者は期待しています。
来年の農作物なう!でまたお会いしましょう。