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ホーム > 旬の農作物なう!:もも
2024.06.06掲載
山形県はももの収穫量が全国4位で、主産地としてはほぼ北限となります。県内産ももは、高品質で高値で取り引きされていることから、生産者の栽培意欲が高く、面積は増加しています。
5月下旬に、東根市大富地区でももを栽培する、寒河江司さんの園地を訪ねました。寒河江さんは「あかつき」、「川中島白桃」、「陽夏妃」、「黄金桃」など10品種ほどのももを栽培しています。また、ももの他にもさくらんぼやりんご、ぶどうなどの果樹の栽培を行っています。
今回は、おいしく品質の良いももを生産するために重要な「摘果」作業について取材しました。
@ 寒河江さんのもも畑です。果実のつき方、光のあたり方、作業性など考慮しながら仕立てた10年弱の若木です。
A 摘果作業中の寒河江さんです。果実が大きくなった時に枝や他の果実にぶつからないかなどを見極めながら残す果実を選んでいきます。
B これがももの幼果です。6月上旬頃までに最終着果量の1.5倍を目安に摘果します。
C この時期の摘果は、形が扁平で肥大の良い果実を残します。大きさをそろえるのがとても大事!
D 小さい果実や傷のある果実、病虫害果を落とします。こちらは傷果です。
E 今のところ順調に生育してくれているとのこと。7月から仕上げ摘果を始めます。
摘果が終わり肥大が進むと、ももらしい果実になっていきます。次回は、「収穫前作業」について取材する予定です。
2024.07.23掲載
7月上旬に、ももの収穫前作業の様子を取材しました。
@ 寒河江さんが栽培しているももは「陽夏妃」という品種です。樹の外側からは果実がほとんど見えません。
A 内側から見ると、果実が順調に肥大していました。手の平間隔を目安として、果実がぶつからないように摘果を行っていきます。
B 樹の内側に面となるように成らせるため、果実品質もそろい、管理しやすいとのこと。前回の摘果作業をしっかり行うことで、今回の作業量が少なくなり、最終的に大きな果実になります!
C 果実に覆いかぶさったりするような枝も取り除いていきます。寒河江さんはそれ以外の新梢は切らずに、枝先を伸ばして樹勢を維持しているとのことです。
D 1玉315g程度の大きさを目標に、残す果実を決めていきます。写真左のように双胚果(種の中に胚が2つある果実)が疑われる果実を摘果します。写真右は正常果です。いびつな形にみえますが、この時点では縫合線に対し6:4くらいの大きさの違いがあるほうが、最終的に丸い果実になるのです。
E 実が大きくなると枝が垂れ下がってしまうので支柱で支えます。収穫の2週間前くらいには太陽光を当てるための反射シートを敷いて、収穫に備えます。
次回はいよいよ「収穫」についてお伝えします!
2024.09.05掲載
8月下旬に、ももの収穫と出荷作業の様子を取材しました。
@ いよいよ収穫です!「川中島白桃」、「黄金桃」がたくさん実っています。先月の取材時には青かった果実も、きれいに赤く着色しています。
A 収穫中の寒河江さんです。一つの樹を、およそ1週間で3回に分けて外側から収穫していきます。雨に当たりそうな部分や、熟度の進んでいる果実から優先的に収穫します。
B この日は5人で作業を分担し、収穫作業をしていました。寒河江さんの指示のもと、3人で果実を収穫かごに収穫します。
C 軽トラックの荷台では、病虫害果等を取り除く粗選別をしながら、もも用コンテナに並べる作業を2人で行っています。寒河江さんは、作業の効率が良くなるように気を配っています。
D 寒河江さんの出荷グループでは、無袋で管理して赤く着色させた「黄金桃」も出荷しています。
E 本年産のももは病虫害がほとんどなく、傷も目立つものがなく順調に生育したとのことです。寒河江さんの徹底した栽培管理の賜物です。
F 朝と夕方の2回で、1日に約200箱分を収穫します。収穫されたももは、選果場所である自宅に向かいます。
G 選果作業では、最初に、運び込まれた果実を一つ一つ計量して大きさ別に仕分けていきます。
H 一つ一つ丁寧にフルーツキャップを付けて、箱詰めしていきます。昼の出荷に間に合わせるために、皆さん一丸となって作業を進めていきます。
I きれいに箱詰めされたももが、これから消費者の皆さんのもとに発送されていきます。山形県のももを、是非ご賞味ください。
5月から8月まで、寒河江さんのももの栽培管理から収穫にかけての作業の様子を取材しました。掲載した内容もごく一部で、寒河江さんは病害虫防除や冬場の剪定などについて県外産地の情報なども積極的に取り入れて、より良いももを作るために日々研鑽されています。特に近年は、春先の凍霜害、夏の高温、記録的な大雨など、生産者にとって厳しい気象条件に見舞われることが多いですが、これらを乗り越えて美味しいももを届けて下さっているのだと実感しました。
寒河江さん、お忙しい中、懇切丁寧に取材へご協力いただきまして、本当にありがとうございました!