旬の農作物なう!

大豆:耕うん・うね立て・播種・除草剤散布

2017.6.21掲載

大豆「里のほほえみ」は、大粒で高タンパクのため、豆腐の加工等に向いている品種です。また、一般的な大豆は紫色の花を咲かせますが、白い花を咲かせることが「里のほほえみ」の特徴です。今回の「旬の農作物なう!」では、播種から加工までを取材していきます。平成29年5月20日、現地に取材に伺いました。

取材に協力していただく「農事組合法人村木沢あじさい営農組合」さんは、平成25年に法人化し、大豆の他に米や枝豆、里いもなど数多くの品目を栽培しています。山形県の大豆の平均収量は150kg/10a程度ですが、「村木沢あじさい営農組合」さんでは毎年200kg/10a以上の高収量・高品質の大豆を生産しています。大豆栽培担当の遠藤さんは「今年度の目標は300kg/10a」と意気込んでおられました。


@大豆栽培担当の遠藤さん(写真左)と向田さん(写真右)です。作業は2人1組で行います。栽培面積およそ35ha のため、この時期は3チームに分かれて作業をするそうで す。

Aトラクターに、耕うん・うね立て・播種・除草剤散布の装備を付け、一連の作業を同時に行います。一度に3列出来るため、広い面積での作業に優れています。

B播種作業の様子です。大豆は湿害に弱い作物なので、適切な時期の播種と排水対策が重要です。2日以上雨が降った後は播種を行わず、土壌中の酸素の量に注意しているとのことでした。

C大豆の種子は、鳥に食べられないように赤くコーティングされています。一見、不気味な色をしていますが、鳥や病気から大豆を守るために必要なことです。

D5月20日に播種して、17日目の大豆です。揃いも良く、順調に生育しています。

10月下旬の収穫に向けて、次回は6月下旬の中耕培土の様子を取材します。

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大豆:中耕培土

2017.8.23掲載

現在、大豆「里のほほえみ」は生育後半となっています。より高い品質の大豆を作るために、中耕、培土作業が重要です。中耕では、土を刃で砕いてやわらかくし、酸素や養分を土の中に蓄えやすくします。また、除草の効果もあります。培土では、やわらかくした土を大豆の根元に寄せ、土で株を支え、倒れるのを防ぎます。

7月11日、農事組合法人村木沢あじさい営農組合に伺い、大豆「里のほほえみ」を取材しました。


@中耕、培土作業前の畑です。ところどころ雑草が生え、土も硬くなっています。

Aトラクターの後ろに付けたロータリー刃で、土を砕き、細かくします。 ここで雑草も切り、土の中にすき込みます。

B Aの作業で細かく砕けた土を、培土板を使って株の根元に寄せます。

Cこの一連の作業で大豆の根を傷つけると、生育が遅れたり、病気に感染することがあるので、大豆を傷つけないように、うね間を上手に運転しています。

D作業後は、このようなV字のうねになります。雑草が綺麗にすき込まれました。

E8月3日に再度取材に伺いました。大豆「里のほほえみ」は、白い花が特徴です。

次回は、10月下旬ごろに収穫の様子を取材します。

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大豆:収穫

2017.12.4掲載

11月1日に大豆「里のほほえみ」の収穫作業を取材しました。大豆の収穫作業は、晴れの日の朝露が乾いた午前10時頃から始め、再び湿り始める午後5時頃には終了します。


@播種作業の取材でもお世話になった遠藤さんです。遠藤さんの後ろに写っている「普通型コンバイン」と呼ばれているコンバインで、一日に約150aを収穫します。

A 収穫は10月25日から始まっています。収穫時期の目安は、成熟期(葉が完全に落葉し、莢が品種特有の色になった時期)に達してから、おおむね7日後以降で、茎がポキッと折れる頃です。収穫の遅れは、収穫ロス、品質低下の原因になるため、適期収穫を心掛けているそうです。

B 農作業による事故を防止するため、作業前にコンバインの点検・整備は万全に行います。作業の注意点として、土砂を巻き込まないようにするため、刈り取りの高さを適正に保つことがポイントです。また、急ぐと株が上手く刈り取りできずロスが多くなるために、丁寧に作業することが重要だそうです。

C 収穫された「里のほほえみ」です。粒が大きく、外観品質が良好です。この後、乾燥・調製を行います。大豆の乾燥は、品質の低下を防ぐため、米麦よりも低い温度でゆっくりと乾燥させます。

D 「里のほほえみ」(平成28年産)が100%使用されている味噌は、9月下旬ごろより販売されています。また、「里のほほえみ」は、豆乳の抽出率や豆腐の硬さなどから豆腐加工にも適しています。

今年の「里のほほえみ」は、気象に応じた適切な栽培管理が出来たことにより、昨年よりも収量が上がったとのことです。
「村木沢あじさい営農組合」の皆様、取材に御協力頂きありがとうございました。

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