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トルコぎきょう:定植

2020.07.21掲載

山形県のトルコぎきょうの出荷量は全国4位(令和元年度)。村山地域の中では上山市や山形市で栽培が盛んで、6〜11月まで出荷されています。トルコぎきょうは花の色や形がバラエティに富み、数多くの品種があります。夏でも花持ちが良く、お祝いやイベントなど様々なシーンで幅広い場面で活躍します。

6月下旬、上山市の鏡 寿樹さんの農業用パイプハウスに伺い、定植作業の様子を取材しました。


@ 今回定植するハウスです。白やピンクなど、花の色や形が異なる5品種を栽培します。

A 定植は手作業で行います。1ベッドに約1500株入ります。
B 左は播種直後のセルトレイです。播種用の器具を使い、406穴それぞれに1粒ずつ播種しています。播種から定植までは、種子の低温処理期間を含め2か月程度かかります。

C 鏡さんの手元をよく見てみましょう。まず指で穴をあけ、セルトレイからピンセットで苗を抜き取ります。

D 苗をやさしく穴に置きます。前日にかん水をすると穴が崩れず、作業がしやすくなります。

Eどんな花が咲くか楽しみですね。

定植後、短日処理を1か月程度行います。短日処理とは、100%遮光のホワイトシルバー等の資材で夕方5時頃から朝8時頃までトンネル状に被覆する方法です。花芽分化を遅らせ、ボリュームのある切り花にするための作業です。

次回は、定植後の管理の様子を取材します。

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トルコぎきょう:芽整理

2020.09.23掲載

今回は、定植後の管理の1つである「芽整理」について紹介します。


@ 9月10日、ハウスに伺うと、作業中の鏡さんの姿がありました。

A 黄色っぽく見えるのは、トルコぎきょうの蕾です。定植から2か月以上経ち、蕾が膨らんできました。

B 鏡さんが行っている作業は、芽整理です。開花のタイミングを揃えるための大切な作業です。1枝に、花1つに対して蕾1つ程度にするため、余計な蕾を取り除きます。

C このように、株の中で1つだけ早く咲いてしまった花は摘み取り、バランスよく蕾が開くのを待ちます。
D 左が芽整理前、右が芽整理後の様子です。蕾の数が半分程度に減り、すっきりしました。天気が良くハウス内の気温が高い日の作業は、暑さでとても大変です。

E トルコぎきょうの生理障害として、葉先枯れと茎折れがあります。発生した場合、どちらも商品性に影響を及ぼしますが、鏡さんのハウスでは発生はほとんど見られませんでした。

F ハウスの手前から奥まで、草丈がきれいに揃っています。かん水チューブだけでは水がかかりにくいハウスの奥側は、手かん水も行っているそうです。

下位側枝の整理も含め、定植から収穫までの間に3回は、1株1株手を入れるそうです。これに加え、少なくとも10日に1回は病害虫の防除を行っています。きめ細やかな作業によって、高品質なトルコぎきょうが出来上がります。

次回は、収穫の様子を取材します。

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トルコぎきょう:収穫・調整

2020.10.03掲載

9月18日、鏡さんから収穫作業が始まったと連絡をいただき、取材させていただきました。


@ 9月10日(前回)と比べ、品種ごとの花の色がわかるようになっていました。

A 今回は、特に開花が進んでいるこの品種を収穫します。

B 収穫は、開花の状況を確認しながら手で株ごと引き抜きます。

C 30本を1セットとして収穫します。

D 収穫後、屋内の作業場に移動しました。初めにハサミで丁寧に根を切り落とします。

E 次に、下の葉を手で取り除きます。

F 芽の整理を行いながら枝の数を確認し、「秀」、「優」などの等級に分けます。

G その後、50、60、70、80pの線を引いた板の上で花の位置を合わせ、階級(長さ)ごとに分けます。

H 輪ゴムで10本を1束にまとめ、「スリーブ」と呼ばれる透明フィルムに入れると完成です。

I 花の日持ちを良くするため、抗菌剤を入れた水に生けて出荷を待ちます。

J 9月25日、まだ咲いていなかった紫色の品種を残して、概ね収穫が終わっていました。

K 蕾も紫色に着色しています。秋らしい色の品種ですね。

今年は高温の影響で、収穫期が例年より10日程度早まったそうです。品種に応じたかん水管理など、毎年が勉強だと話していました。

新型コロナウイルスの感染拡大は、花の消費にも大きく影響しました。山形県は東北一の花の産地で、さまざまな種類の花きが生産されています。県では、「花を飾ろう!贈ろう!運動」を行っています。ぜひ気軽に花を飾って頂けるとうれしいです!

鏡さん、取材にご協力頂きありがとうございました。

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