さくらの旬の味覚発見!

山形の凍餅

手作りだから伝わる、ふるさとのぬくもり
 厳しい寒さが続く山形県。毎日気温は氷点下まで下がり、道路脇の雪もどんどん高くなっているようです。時々顔を見せる太陽の光が、屋根にかかった氷柱をキラキラと輝かせてくれます。
 今回さくらが伺ったのは朝日町の「JAさがえ西村山女性部朝日支部」。ここでは、昔ながらの作り方で「凍み餅」が作られていました!そういえばさくらのおばあちゃんも、さくらが小さい頃こたつの横のストーブであぶってくれていました。あぶった凍み餅に醤油をつけて食べたり、揚げて砂糖醤油をまぶしてもとってもおいしいですよね!あまりのおいしさに、一度食べ始めたらとまらないので、決まった数しかお皿に出せませんでした!
 凍み餅は、朝日町の一般家庭で冬の間よく作られていますが、製品化されているものは少なく、「女性部朝日支部」で作られている凍み餅は県内の温泉やおみやげ店、各地のイベントなど、さまざまな場所で販売されています。今回は、実際凍み餅を作っている所を見せていただく事ができました!
*おいしい凍み餅ができるまで*
 雪がちらちらと降る中、さくら&取材スタッフはいざ朝日町へ…。すると現地に近くなるごとにどんどん雪の量は多くなり、外の温度も下がってきました!もちろん辿り着いた目的の建物もすっぽり雪に覆われていましたよ〜。出迎えてくれたのは凍み餅作りを担当している女性部の皆さん。女性部では、昭和56年頃から20年以上も凍み餅を手作りで作り続けてきました。部長の佐藤秋恵さん、堀智江さん、長岡千春さん、清野洋子さんは、凍み餅と漬け物作りのエキスパート!早速凍み餅を作っていただきました。
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 まずはガス釜でうるち米をおかゆ状に炊きます。炊きたてのおかゆはとってもいい匂い!!!部屋中にホカホカの湯気とおいしそうなにおいがたちこめて、早くもさくらの食欲をそそります!(←相変わらず食いしん坊ぶりは健在!)一度に炊く量は6.3kgと結構な量です。おかゆを大きなボウルに移し、10分〜15分間二人がかりで粘り気が出るまでつきます。これが中腰の力作業で、見るからに大変そう(>_<;)あまりつきすぎると仕上がりが固くなってしまうため、手加減しながら、少しぼってりとした状態までがベストだそうです。山形弁でいう「ぼだもぢ」の状態ですね!
 こうしてつき上がった餅を浅めの型枠に移し、平べったくのしていきます。この時、お米にゴミなどが入らないように注意し、空気を抜きながらのすのがポイントです。たいらにのしたら、次はいよいよ凍みらせに入ります。 …と思ったら、部長の佐藤さん、のした餅を持って雪の降る外へ。なんと餅は建物周辺でも最も寒い場所で凍らされていました!
 建物から歩いて5分ほどのこの場所は、風がとっっっても冷たくて、温度もぐっと低く、低温&乾燥を好む凍み餅にはベストなコンディション。実はこれまでに様々な場所で「凍み」を試みてきましたが、どこも寒さが足らず、うまくいかなかったんだそうです。時には冷凍庫の世話になる事もありましたが、冷凍庫では、餅のはじっこだけが固くなってしまったり、思い通りの食感を引き出す事は難しいんだとか…。凍って溶けて、凍って溶けて、を3回ほど繰り返し、手で触ると少しブカブカした感じが出てくればベスト!凍りつくような寒さと、冷たい風、そして日中のほんの少しの暖かさ、この絶妙な温度の変化がおいしい凍み餅づくりの秘訣なんですって!

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 こうして餅は、鳥よけのネットの中の棚に凍るまで置かれます。ネットのまわりには、キラキラ光るCDを下げたり、音楽をかけたり、かかしに見張ってもらったりと鳥よけ対策が施されています。そして頭上には、まるで鍾乳洞のように綺麗に下げられた凍み餅がありました!!凍った餅は一つ一つ同じ大きさに切って、15個づつ紐で縛っていきます。実はこの編む作業と切る作業は、品質保持のためこの場所で行われているんです!!氷点下のこの冷たい風の中ですよ!?作業は毎年小寒から大寒にかけて行われるので、一年で最も寒い時期に外での作業…。さくら、頭が上がりません!
 
「つく」作業は相当な力仕事!


このまま食べてもオハギみたいでおいしそう!


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どうです?鍾乳洞みたいでとっても綺麗でしょーーー?
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私たちのために、この日の編み方は室内で。
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少し高い位置で冷たい風もビュービュー当たります。…この場所、ホントに寒いんです。
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 次に、編まれた凍み餅はこの寒〜い場所で干されます。昔から、「つばめが来る3月頃まで干す」と言われているそうです。干し上がった凍み餅はカビにくく、数年経っても虫がつく事がありません。添加物を使わなくてもちゃんと保存できる食べ物を作る知恵、昔の人はすごいです!
 その後は凍み餅を油で揚げ、砂糖醤油をからめてから真空パックにされて出荷されます。主に「りんご温泉」や「チェリーランド」、「JAアグリ」、「JAファーマーズマーケット」などで販売されています。「凍み」がうまくいった凍み餅の歯ごたえは、サクサクの中にもモチモチがある感じ。寒さが足りなかったり、冷凍庫で作られた凍み餅では決して体感できませんよ〜!お母さんたちの心のこもった懐かしい味を、ぜひ「凍み餅」で味わってみて下さい!

■お問い合せ先:
 さがえ西村山農業協同組合
 女性部朝日支部
 
TEL:0237-67-3535

掲載日 H16.1.27
更新日 H20.11.12

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