*栽培方法とこだわり*
須田さんの柿畑がある上山市相生は山間にあり、柿が栽培しやすい地域。もう少し上にいくと気温が下がるため、栽培しにくくなるそうです。ご近所のお宅でもほとんど皆さん干し柿を作っていて、この地域の消防団では練炭を使用している家々の乾燥場まわりを行っているほど。乾燥場の練炭の数や火の近さなどが、それぞれの家の干し柿の個性になるんだそうです。
須田さんの干し柿づくりのこだわりは、原料になる柿を他の農家からは一切仕入れないという事。畑にも除草剤を使用せず、堆肥や有機質土壌改良剤などを投入し、徹底した土壌作りと管理で育った須田青果園産の柿のみを使用しています。以前は他の畑から仕入れた柿を使用していた事もありましたが、品質や味がバラバラだったり、実がヘタから落ちたり…。そんな経験をして、改めて「うちで作った柿じゃないとこの柔らかさと味が出ないんだ!」と実感されたそうです。
柿の木の手入れは3月初めの剪定から始まります。柿の木は、花が付き、小さい実がなり始めた6月に1回と8月に1回、自分の体力以上に付いた実を自然に落果させます。これは「生理落果」といい、余分な実を付ける事を防ぐ現象なんだそうです。この落果が終わってから本格的な作業がスタートです。混み合った枝、徒長枝、細い枝、実を付けていない枝を選んで切り取り、必要な消毒をします。陽当たりを良くし、摘果して数を制限し品質を均等に揃える事が重要だそうです。
栽培で大変な事は、昔からある高い木の収穫。8メートルのハシゴのてっぺんまで登る事もあり、これがなかなか大変!そして柿の木は表どし、裏どしという「隔年結果」の性質を持っていて、豊作の次の年は収穫が激減…。このバラつきも少々悩みの種なんだそうです。そして干し柿作りには「はせ」や乾燥場などの設備が必要となるため、新規で取り組むにはちょっと難しいそうです…。須田さんの農園の柿作りも、曾おじいさんから代々受け継がれてきたもの。これからもずっと守り続けてほしいですね!!
須田さんの干し柿は贈答品として人気が高いため、全て年内出荷。収穫量が多い年は、毎日深夜までの作業が続きます。市場と農協がメインの出荷先ですが、近頃はインターネット通販でのリピーターが多いそうです。自家製の固〜い干し柿しか食べた事がないさくら…。今年の冬は是非とろ〜り柔らかい本物の干し柿を食べてみたいです!!
柿は果物の中でもビタミンCがとても豊富!!レモンやイチゴに決して負けてはいません。それ以上に、ビタミンK、B1、B2、カロチン、タンニン、ミネラルなどを多く含んでいるので、「柿が赤くなれば、医者が青くなる」という言葉があるほど、柿の栄養価は高いんですよ!
ビタミンたっぷりの柿で風邪知らず!皆さんも山形のふるさとの味「干し柿」を是非味わってみて下さいね!
須田青果園の須田善昭さんと自慢の柿たち。「絶対ウマイです!!」
■須田青果園さんのホームページはこちらです。
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2階の室内乾燥室も、この通り!
だんだん干し柿らしくなってきました!
ピーク時は、作業は深夜にも及びます。
収穫を終えた柿木。来年もよろしくね!それにしても哀愁がただよっていますね〜。
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