旬の農産物情報:11月

山形赤根ほうれんそう

山形赤根ほうれんそう 昭和の初期に山形市風間地区の農家が、従来から栽培していたほうれんそうの中から葉柄基部や根部の赤みが濃いものを選抜した秋まきの品種です。
 当初は「風間赤根」、その後「山形赤根」と呼ばれるようになりました。露地とハウスで栽培が行われており、収穫は10月中旬から2月下旬まで行われます。一般の品種より株張りが良く大株となりますが、しなやかで糖度が高く食味が良いので、おひたしはもちろん、シチューや炒め物等様々なバリエーションに利用できます。
主な産地:山形市 天童市
赤根ほうれんそうの柿入サラダ
◆作り方
[1] ほうれんそうはゆでて水に浸しあくを抜き、水気を絞り3cm位の長さに切ります。
[2] トマトはヘタを取り、1.5cm位の角切りにします。
[3] たまねぎはうす切りにして、水にさらしておきます。
[4] 柿は半分に切り、2〜3mmのうす切りにします。
[5] ボールにほうれんそう、たまねぎ、トマト、柿を入れ、サラダ油大さじ2をかけ、混ぜ合わせたあと、わさびとしゅうゆを溶いた調味液を更にかけ混ぜ合わせます。
赤根ほうれんそうの柿入サラダ
*わさびは時間経過により辛さがとぶので、食べる直前に合わせるとよい。

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せいさい

さといも 山形の特産とも言えるせいさいは、タカナの一種で、明治40年代に種子が導入されて山形青菜(やまがたせいさい)として栽培されるようになったものです。
 葉は大きく、葉の中ろくの部分が幅広くて厚みがあるのが特徴で、一株が500g、丈が80cmにもなります。9月上旬に種をまき、11月中旬には収穫します。
「青菜漬け」「おみ漬け」としての利用が一般的ですが、若い葉は煮びたしや油炒めにもできます。一度塩漬けしたものを、醤油だれにつけて青菜漬けにします。やわらかい葉先でくるんであぶったおにぎりは、ぜひ試していただきたい。漬けたての緑色で辛味のあるものもいいですが、べっこう色になったものも格別です。
大根、人参などを加えて漬け込んだのが「おみ漬け」で、その昔、近江商人が漬けたのでその名がついたと言われています。
主な産地:村山地域一円
おみ漬け
◆作り方
[1] せいさいとだいこん、だいこん葉を4〜5日干しておく。
[2] 干したせいさい2kgとだいこん葉400gを細かく刻み、塩25g(全重量 の1%)を振って、よくもんで一晩おき、水気を固く絞って漬け汁を捨てる。
[3] 干しただいこん500gとにんじん100gはいちょう切りにする。塩15gとしょうゆ1/2カップ、みりん1/4カップ、砂糖大さじ1を入れて、重石をする。5日から7日くらいで食べごろになる。
おみ漬け
*粕漬けや味噌漬けにしてもおいしい

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はくさい

はくさい これから寒くなる季節、鍋料理や漬物には欠かせないはくさいですが、日本へきたのは明治になってからで、日清・日露戦争に従軍した兵士たちが、初めて食べたはくさいのおいしさに種子を持ち帰ったそうです。
 結球するものが主体ですが、半結球や結球しないものもあり、サラダにも向くものや病気に強いものなどさまざまな品種があります。また、1/2〜1/4にカットして売られることが多いのですが、1個1kgくらいの小型の品種「愛姫(めごひめ)」「舞の海」などもあるので、少人数の場合にピッタリです。
  どんな料理にもでき、ビタミンCなどいろいろな栄養素をまんべんなく含んでいます。ビタミンC、カリウムなどは水に溶けやすいので、汁ごと食べられる料理にすると、栄養を逃さずにいただけます。
  保存するときは、乾いた新聞紙で包んで、凍らない程度の涼しい場所に根のほうを下にして立てておきます。横にすると重みで傷みやすくなります。
主な産地:村山地域一円
はくさいとえびのスープ

◆材料(4人分)
はくさい400g、えび(中)8尾、生しいたけ適宜、中華スープ6カップ、塩小さじ1/2、こしょう・ごま油各少々

◆作り方
[1] えびは背ワタ・殻を取る。
[2] はくさいは洗って、適当な長さの1cm幅に切り、生しいたけは細切りに切る。
[3] スープを煮立てて、はくさい、しいたけ、えびを加え、柔らかく煮る。
[4] 塩・こしょう・ごま油で味を整える。
はくさいとえびのスープ
*簡単に作れて、はくさいがたっぷり食べられるうれしい料理
*いか、あさりなど好みの魚介を加えてもOK!
白菜とみかんのサラダ
◆作り方
[1]

白菜4枚は葉と茎に分けせん切りにする。りんご1個はいちょう切りにし、レーズンはぬ るま湯につけてもどしておく。みかんの缶詰1/2は汁気を切っておく。

[2] 酢大さじ2、サラダ油大さじ6でドレッシングを作る。
[3] 全部の材料を混ぜ、[2]のドレッシングで合えて出来上がり。

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ごぼう

ごぼう 河北町や寒河江市の最上川沿いでは、古くから耕土の深い河川敷等を活用して、根菜類の栽培が盛んでした。特に河北町産のごぼうは“谷地ごぼう”とよばれ、柔らかな肉質に定評があり、現在でも根強い人気があります。
  ごぼうはキク科の2年草で、ヨーロッパ、シベリアから中国大陸に野生のごぼうはありますが、野菜としての利用は日本と韓国に限られています。日本では、重要な野菜として儀礼食にも用いられ、きんぴらごぼう、煮物、天ぷら、鍋物等根強い人気があります。
  食物繊維やリグニンは豊富に含み、便秘の解消やコレステロール値の低下に役立つ健康食品として注目されています。また、イヌリンを含み、この成分は腎臓機能を高めるともいわれています。
 ごぼうはアクが強いので、切ったらすぐに酢水につけてアクを抜きます。特有の香りは皮の部分に多いため、包丁の背で軽くこそげる程度にします。
主な産地:河北町 寒河江市 上山市
ごぼうと牛肉の甘辛煮

◆材料(4人分)
ごぼう2本(250g)、牛もも肉薄切り200g、サラダ油大さじ1、合わせ調味料(みりん大さじ3、しょうゆ大さじ3、砂糖小さじ2)、粉さんしょ少々

ごぼうと牛肉の甘辛煮
◆作り方
[1] 牛肉は半分に切る。ごぼうは皮をこそげてから7〜8mm厚さの斜め切りにし、水にさらしてアクをぬく。
[2] フライパンを中火にかけてサラダ油を熱し、水気をふいたごぼうを加えてよく炒める。さらに牛肉を加えて炒める。
[3] 肉の色が変わったら合わせ調味料を加え、煮汁が少なくなるまで炒め煮にする。
[4] 器に盛り、好みで粉さんしょをふる。
ごぼうの黄金巻き
◆作り方
[1] ごぼうは20cm長さに切り、ゆでる。
[2] 卵は、フライパン一杯の大きさの薄焼き卵にする。
[3] ごぼう、だし汁、砂糖、醤油を鍋に入れ、柔らかくなるまで煮て、片栗粉でとろみをつける。
[4] 巻きすに薄焼き卵をおき、ごぼうをのせ、端から巻き、4cm長さに切り、器に盛る。

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ながいも

ながいも やまいもと呼ばれるものの中でもっともポピュラーな種類です。山形県では、庄内砂丘地帯の栽培が盛んですが、河北町や寒河江市の最上川沿いでも良質なながいもが生産されてきました。
  球形のやまといも(つくねいも)や三味線のばち型のいちょういも(関東ではやまといもともいわれる)と比べ、水分が多く粘りは比較的少ない種類です。サクサクとした歯ごたえがあるため、とろろ汁等すりおろすだけでなく、拍子木切りやいちょう切りにして食感を楽しむような料理にも使われます。
 ながいもは、食用の他、薬用や滋養強壮剤として古くから用いられており、とろろ汁でご飯を何杯も食べられる!?のは、アミラーゼやジアスターゼなど多くの消化酵素を含むからです。手がかゆくなったときは、少し酢水に手をつけるとかゆみが和らぎます。
主な産地:河北町
ながいものサラダ

◆材料(4人分)
ながいも200g、ベーコン3枚、レタス3枚、クレソン1束、くるみ1/4カップ

ながいものサラダ
◆作り方
[1] ながいもは5cmの長さ、3〜4mm角の棒状に切り、酢水にさらし水気をとる。
[2] ベーコンは1cm幅に切ってオリーブ油少々でカリッと炒め、ペーパータオルで脂をとる。
[3] レタスは細かく切り、クレソンは葉先を摘む。合わせて冷水に放し、水気をとる。くるみは粗く刻む。
[4] おろしにんにく1/2片分、カレー粉小さじ1、酢大さじ1を混ぜて電子レンジで30秒加熱し、マヨネーズ大さじ3、うす口しょうゆと水各大さじ1を混ぜる。
[5] [1]〜[3]を器に盛り、[4]をかける。
ながいもとしめじの卵とじ
◆作り方
[1] ながいも200gの皮をむき、厚さ5mmの半月に切る。
[2] しめじ100gの石づきを切り、細かくほぐす。
[3] 糸みつば1束の根元を切って洗い、長さ3cmに切る。
[4] 大きめのボウルで卵白3個分を固く泡立てる。
[5] 小さめのボウルに全卵1個と卵黄3個分を入れて溶く。
[6] ふたつきの平らななべにだし1カップ、しょうゆ大さじ2、みりん大さじ3を入れて火にかけ、煮立ったらながいもを入れて弱火で約5分煮る。
[7] 軟らかくなったらしめじを入れて、ひと煮えさせる。
[8] みつばを散らし、[5]の卵液を流し入れ、上にこんもりと[4]の卵白をのせてふたをし、火を止めて約2分蒸らす。
[9] 4等分に切り分けて器に盛る。

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かぶ

かぶ かぶは、はくさい、こまつなと同じアブラナ科で、日本には弥生時代に伝わり、最も古い野菜の一つです。全国に地域特有の品種が数多くあります。
  春の七草の一つ“すずな”として知られており、葉は栄養価が高く、カロチン、ビタミンC、カルシウムを豊富に含んでいます。普段食べている根の部分にはビタミンCの他に炭水化物の消化酵素であるジアスターゼが含まれています。胃腸を温める効果もあると言われています。
  店頭で見かけるのは白い小かぶが多いですが、尾花沢市や大石田町では、「南沢かぶ」、「午房野かぶ」、「次年子かぶ」と呼ばれる地域特産の“赤かぶ”が作られ、10月下旬〜11月上旬に収穫されます。温海かぶとも異なり、見かけが大根に似ていることと、紫がかった赤色が特徴です。主に漬物として加工され、独特の歯ごたえと風味が堪能できます。また、赤かぶには天然色素でポリフェノールの一種であるアントシアニンが多く含まれています。
主な産地: 寒河江市 尾花沢市など村山一円
長かぶの酢漬け
◆作り方
[1] 長かぶ6kgを乱切りして1晩水につける。
[2] かぶの水気をとり、塩1カップに付けて一昼夜おく。
[3] [2]をざるにとり水を捨てて、砂糖1kg、酢500ccを加え 混ぜ合わせて重石をする。一週間くらいから食べられる。

長かぶの酢漬け

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りんご

りんご りんごの代表品種となっている「ふじ」は甘味、酸味のバランスがよく、歯触りの良さ、果汁の多さも他の品種の追随を許さない、まさにりんごの王様です。その「ふじ」の中でも完熟品の印ともいえるのが「蜜入りりんご」です。山形では寒暖差の大きい気候を生かして「蜜入り」にこだわった栽培をしています。
  蜜の正体は果実の糖分が変化した「ソルビトール」という物質ですが、「ソルビトール」は収穫前の気温が下がらないと生成されないため「蜜入りりんご」は霜の降り始める11月中旬から本格的にお店に並び始め、ほとんどが年内中に完売されます(蜜入りりんごはあまり貯蔵が効かないのです)。ほぼ一年中販売されている「ふじ」ですが、蜜のたっぷり入ったジューシーな食感は冬の初め、この季節だけのお楽しみです。
主な産地:東根市 天童市 朝日町など村山盆地一円
**おいしい「ふじ」の目利き**
・軸が太く長くしっかりとしている
・果皮の縞模様がくっきりとして立体感がある
・横から見て、逆三角形より寸胴型が良い
・蜜入りが多いと果実がやや透き通ったかんじになる
・果実のお尻が緑色より透明感のある黄色が良い
おいしい「ふじ」の目利き

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西洋なし

 西洋なしは、明治20年頃から栽培が始まり、内陸盆地が栽培に適した気象環境だったことから、現在は、全国の約6割を山形県で生産しています。
  以前は缶詰用の生産が主体でしたが、現在はほとんどが生食用に替わり、缶詰時代には受粉樹であった「ラ・フランス」が、独特の芳香と緻密な肉質から、代表品種となっています。
  「ラ・フランス」の他にも、甘みの強い「バラード」、大玉で食味の良い「シルバーベル」、酸味があり美味の「ゼネラル・レクラーク」、早生の「オーロラ」「マルゲリット・マリーラ」など、多数の品種が栽培されています。食べ頃の判断が難しいといわれますが、いずれの品種も収穫後すぐにではなく、追熟といって、しばらく室温において果実が軟らかくなってからが食べ頃です。豊かな芳香となめらかな舌ざわりを楽しんでください。最近は食べ頃のものも販売されるようになったので、表示を確かめてみてください。
主な産地:天童市 東根市 上山市 大江町など村山盆地一円
手作りラ・フランスケーキ

◆材料(4人分)
薄力粉200g、砂糖80g、卵3個、バター150g、ベーキングパウダー小さじ2、バター適量、ジャム(ラ・フランス2個、砂糖、レモン汁1/2個分)

◆作り方
[1] ラ・フランスジャムを作っておく。
ら・フランスはいちょう切りにし、砂糖とレモン汁を加えて煮つめる。
[2] バターを室温にもどして、泡立て器でクリーム状になるまで錬る。砂糖をすり込むようにして加えていく。
[3] 卵を泡立て器でかき混ぜながら加える。
[4] 小麦粉とベーキングパウダーを合わせふるっておく。
[5]

[3]に小麦粉をふり入れ、サックリ混ぜる。

[6] ラ・フランスジャムを加えて混ぜる。
[7] 型にバターを薄くぬり、[6]を流し入れる。
[8] 200度のオーブンで20分間焼く。更に、アルミ箔をかぶせて20分間焼く。

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ぶどう(ワイン)

ぶどう(ワイン) ワインは、ぶどうの果汁を発酵させてつくる醸造酒のことで、日本酒やビールと決定的に違うのは、醸造の過程で水を使わないことです。したがって、ワインの品質は原料のできにより左右されるといわれています。今年のぶどうは糖度が高く、醸造後の品質も良い傾向だそうです。
  村山地域は、日照時間が長く降水量が少ない典型的な盆地気候で、ぶどう栽培の適地となっており、ワイナリーが4社あります。それぞれ特徴のあるワインがつくられており、ぶどうを原料としたワイン以外に、こくわ、ラ・フランス、りんご、さくらんぼのワインも作られています。
  輸入ワインの割合が高くなっている中、地場産原料を100%使ったワインで、品質基準審査に合格した物には「認証ワイン」のラベルが貼られています。
  赤ワインに含まれるポリフェノールが、動脈硬化を防ぐ作用があるのはご承知のとおりですが、白ワインには強力な殺菌作用があります。また、料理にも幅広く活用でき、肉や魚の臭いを消す、肉を柔らかくする、コクとうまみを与えるなどの効果があります。11月はボージョレ・ヌーヴォーの季節ですが、県産ワインの新酒もおいしい季節です。フルーティーな味と香りをお楽しみください。
りんごのコンポート

◆材料(4人分)
りんご1〜2個(約200〜300g)、砂糖大さじ4、水200ml、レモン2切、ワイン大さじ2

りんごのコンポート
◆作り方
[1] りんごは皮をむいて6〜8個に切り、芯をとる。
[2] 耐熱ボウルにりんご、水、砂糖、レモンの薄切り1〜2切、りんごの皮を入れ、ふたをして電子レンジで6分加熱する。
[3] 取り出して、ワインを加える。
[4] そのまま冷やして、全体がきれいなピンク色に染まったら出来上がり。加熱直後は色が薄くてもしばらくおくときれいなピンク色になってくる。
*りんごは色のきれいなものがお薦め。
*ワインはお好みで赤でも白でも良い。

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