旬の農産物情報:9月

あけび

あけび  「あけび」は、北海道をのぞく日本各地に自生しているアケビ科のツル性植物です。春に淡紫色の花が咲き、秋になるとツルに小さいバナナの形をした実が2〜3個ずつ垂れ下がります。
 スタミナ果実として、昔の旅人はあけびを食べて疲れをとったと伝えられており、中の半透明の果肉は甘くビタミンCが、外側の紫色の果皮にはカリウム、食物繊維が多く独特の苦みがあります。
 名前の由来は、実が熟して割れたさまが人の「あくび」に似ていることから「あけび」に変化したという説と、実が熟してくるとぱっくりと口を開けたように割けることから、「開け実」→「あけび」と変化した説があります。

主な産地: 朝日町 天童市
新芽のごま和え
春先の柔らかなツル先と若葉を摘み、熱湯でゆでてあくを抜く。
よく水気をきり、すりごま・しょう油・みりん・砂糖を加えて和える。酢醤油・カラシ和え・マヨネーズ和えも美味しい。
果皮の油味噌炒め
果皮を細かく切って油を炒め、味噌・みりんで味付けをする。

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すもも(秋姫)

すもも-収穫直前の秋姫
すもも
▲収穫直前の秋姫

 「秋姫」は、9月中旬に収穫できる極晩生品種で果実の重さはすももで一般的な品種「ソルダム」の1.5倍、約200gにもなり食べごたえがあります。大きさについては、今までのすもものイメージを塗り替えるような品種です。
 果皮色は収穫期には濃赤色になり、果肉は黄白色と特徴があり食味も糖度と酸味のバランスが絶妙です。
  中山町豊田地区は、東北では有数のすももの産地で、「秋姫」の生産に、現在最も力を入れています。年々生産量が拡大しています。店頭でも見かける機会があるでしょう。

 「秋姫」の食べ頃は、黄緑色の部分が黄色に抜け、濃紅色に達してきた頃です。また、収穫直後より2〜3日置いたほうが、果汁も多くなり味がまろやかになります。

主な産地: 中山町 天童市 上山市 東根市

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さといも

さといも さといもの原産地は熱帯アジアで、このうち、寒さに強いものが中国南部を経由して縄文時代中期頃に日本に渡ってきたと考えられています。山に自生する“やまのいも”に対して里で栽培された“さといも”というのが語源のようです。
 親いもに小いもが、子いもに孫いもがと増えていくので、子孫繁栄の縁起物として、お正月や祝い事のお膳に使われてきました。最近は、試験管の中で苗を作って育てたバイオさといももお目見えしました。品質が揃っていること、収穫が早くできることが特徴です。
 山形では新さといもが出てくると、いよいよ「芋煮会」のシーズン到来です。「芋煮会」のためか、なんと山形市でのさといも消費量は、全国第2位(都道府県庁所在地調査)なんだそうです。
主な産地:山形市 寒河江市 河北町
さといものみそ田楽

◆材料(4人分)
さといも400g、塩少々、合わせ調味料(みそ120g、砂糖1/2カップ、みりん1/2カップ)

◆作り方
[1] さといもを水で洗ってぬめりを取り、たっぷりの水に塩を加えて強火にかける。
さといものみそ田楽
[2] ゆで汁が沸騰したら中火にして、吹きこぼれないように火力に注意し、さといもに竹串が通るようになるまでゆでる。
[3] 鍋に合わせ調味料を入れて弱火にかけ、絶えずかき混ぜながら煮詰め、木じゃくしで鍋底をこすった時に底が見えるほどの固さになったら火から下ろす。
[4] 竹串にさといもを3個ずつ刺し、みそをかけてできあがり。
*みそに白ごまやゆずをすりおろしていれてもおいしい。
*アルミホイルに並べ、オーブントースターでこんがり焼くと香ばしい。
さといももち
◆作り方
[1] さといもは皮を取り、1cm厚さの輪切りにする。
[2] 炊飯器に米を入れ、その上に里芋をのせ、水を入れて炊く。炊き上がってから、すりこ木で押しつぶし、一口大にちぎっていももちをつくる。
[3] ボールに納豆、かつおぶし、ネギのみじん切り、大根おろし、しょうゆを混ぜ合わせ調味ダレをつくる。
[4] いももちに[3]の調味ダレをつけて食べる。
*いももちをおにぎりにして焼き、みそだれをつけてもおいしい。

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アールス系メロン

アールス系メロン メロンの中でも、“メロンの王様”と言われるのがアールスメロン。ヨーロッパで発達したネットメロンで、香気があることからマスク(麝香:ジャコウ)メロンとも呼ばれます。日本ではこの香りを持つ品種をアールス系メロンと称しています。
 アールス系メロンは管理の徹底したハウスで、一株から一個だけ厳選して実をつけさせて大切に育てます。きれいなネットの模様ができ、とろけるような果肉も特徴のひとつです。T字型のつるが目印で、その他のメロンと区別しているようです。
 また、高血圧を予防するギャバが多く含まれ、血栓を予防する効果は野菜・果物の中でトップクラスです。
主な生産地:山形市 天童市 寒河江市 河北町 尾花沢市 村山市 東根市
 基本的には、おいしさをそのまま食べていただきたい。
 目先を変えたいときは、ちょっとゴージャスに生ハムメロン(賛否両論ありますが・・・)やブランデーを振りかけても。
 少し熟してしまったら、メロンの果肉と牛乳と氷を合わせてミキサーにかけ、お好みで砂糖を加えてメロンセーキでどうぞ!

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えだまめ『秘伝』

えだまめ『秘伝』 9月に入ると、西村山特産の秘伝えだまめが旬となります。秘伝えだまめは晩生種で、標準的には6月上旬には種し、9月下旬から10月上旬にかけて収穫する品種です。緑が鮮やかで、白毛で大莢、甘みとコクがあり、香りの豊かな青豆系の品種で、完熟させて乾燥すると風味の良い青大豆にもなります。
 この食味をなんとか早くお届けできないかと、これまで様々な取り組みをしてきましたが、実用的な早出し栽培方法は見つかりませんでした。このため、まさに季節限定の旬のえだまめといえます。この秘伝を西村山の生産者は、有機質主体の肥料で栽培し、鮮度保持に抜群の効果がある新素材パッケージにいれて販売しています。
主な産地:西村山地域一円
秘伝えだまめのずんだ
◆作り方
[1] ゆで上がったえだまめの薄皮をとり、すり鉢でつぶす。
[2] 好みの量の砂糖と塩を少々加えさらによくすりつぶす。
[3] これをつきたての餅や団子、おはぎ等につけて食べる。また、甘みを控えめにしてゆでたなすやさやいんげんを和える。寒天で固めると翡翠寒天となり、緑色で上品な御菓子になる。

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ねぎ

ねぎ ねぎはユリ科の野菜で、中国西部が原産地です。日本では白根の長い長ねぎや葉ねぎが栽培されており、料理にあわせて使い分けられています。本県では長ねぎが多く生産されています。
 西村山地域はねぎの野菜指定産地として栽培が盛んで、消費地域への安定的な供給に努めています。以前は10月から11月が出荷のピークになっていたものを、現在では作型を組み合わせて8月から夏ねぎ、夏秋ねぎも出荷しています。また、低コストでの生産や皮むき等の作業の共同一括処理にも取り組んでいます。
 独特のにおいと辛みをもつ硫化アリルを含み、消化液を分泌して食欲を増す、体を温めるなどの薬効があります。また、肉や魚の生臭さを消すので薬味、鍋物の具、汁の実などに欠かせない野菜です。
主な産地:寒河江市、天童市
ねぎ餃子

◆材料(4人分)
ねぎ200g、ザーサイ70g、しいたけ50g、豚ひき肉200g、調味料(酒大さじ1、塩小さじ1/2弱、ごま油小さじ1〜2、こしょう少々)、餃子の皮36枚、ごま油適量、たれ(酢、しょう油、ラー油を適量)

ねぎ餃子
◆作り方
[1] ねぎは根を切り落として5〜6mmの長さに切り、ボールに入れ塩をからめ、しんなりするまでおく。
[2] ザーサイはみじん切りにする。
[3] ボールに豚ひき肉を入れ、調味料を加えてよく混ぜ、[1]と[2]を加えよく混ぜる。36等分にしておく。
[4] 餃子の皮の中央に[3]をのせ、皮の縁にぐるりと水を塗って2つに折り、ひだを4〜5つ取りながら包む。
[5] フライパンを温め、ごま油大さじ1をなじませて[4]を並べ、熱湯を餃子の2/3ぐらいまで加えて鍋のふたをして強火にする。皮がすきとおったら下に焦げ目をつけ、ごま油を適量かけて器によそう。
[6] 焼きたてにたれを好みに混ぜてつけていただく。
南蛮焼き
◆材料(5人分)
豚薄切り肉300g、ねぎ2本、ショウガ1かけ、炒め油少々、煮汁(醤油大さじ3、みりん大さじ2、酒大さじ1)
◆作り方
[1] ねぎは約10cm長さに切りそろえる。ショウガはせん切りにします。
[2] 豚肉を広げて、ねぎ、ショウガを芯に巻きます。
[3] 鍋に油を熱して、[2]を焼きます。
[4] 出た油を捨てて、煮汁の調味料を入れ、煮汁がなくなるまで煮ます。

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大粒系ぶどう

大粒系ぶどう ちっちゃくて食べやすい「デラウェア」は、昔からある庶民的なぶどう。これに対して、「巨峰」に代表される大粒ぶどうは、粒や房がボリューム感たっぷりで高級ぶどうのイメージです。品種により黒・赤・白と色とりどり、粒の形も丸いの、とんがったの、ラグビーボール型ありで、バラエティに富んでいます。収穫期は9月上旬から下旬にかけて。稔り豊かな秋を最初に感じさせるくだものです。
 最近よく見かけるのが「種なしピオーネ」、黒いぶどうで巨峰に似ていますが、粒も房も大きく立派です。種がなく食べやすいと評価上昇中。「ピオーネ」は山梨産や長野産もありますが、山形ならではの品種が幻のぶどう「オリンピア」。鮮やかな赤い品種です。数あるぶどうのなかで最高に甘い品種、一度味わったら忘れられません。
主な産地:上山市 天童市 寒河江市 東根市など
まだまだおいしい品種があるよ!!
「巨峰」黒、定番の品種、種あり
「高尾」黒、やや細長い粒、上品な甘さ、種なし
「安芸クイーン」赤、甘さたっぷり、種あり
「藤稔」黒、粒が大きくゴルフボール並?種なし
ぶどうの花
ぶどうの花です。わかるかな?

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プルーン

プルーン 鉄分や便秘改善に効果があるソルビトールを多く含み、栄養価も高いことから「ミラクルフルーツ」と呼ばれています。普通はドライフルーツとして売られていますが、国内産は新鮮な生果実で味わうことが出来ます。品種が多く、ミニトマトくらいの小粒のものから卵より大きいもの、色も青紫〜薄紫まで様々です。
 プルーンはスモモの仲間で味も似ていますが、皮が薄く、種が取れやすいため、そのまま皮ごと召し上がれます。また、ツンとした酸味が少なく食べやすいので、スモモが苦手の方にもお薦めです。(酸味が強い場合は室温に1〜2日ほど置いてみましょう)
 山形産は8月末から10月上旬がおいしい季節です。時期ごとに品種が変わるので、産地からの直販でお薦め品種を送ってもらうのも良い方法です。
お薦めの大玉品種
「パープルアイ」8月下旬〜9月上旬収穫、赤紫色、甘味が強い。すっぱいのが苦手な人向き。
「プレジデント」9月下旬〜10月上旬収穫、青紫色、甘味、酸味ともに強い濃厚な味。

主な産地:村山市 寒河江市 天童市など

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もも

もも 「山形のもも」食べてみましたか?7月後半から8月始めは雨が少なく、日照にも恵まれたので糖度が高く、品質には自信があります。ももは収穫期に雨が降ると甘みが減ってしまうので、夏に雨が少ない日本海側の気候が意外と適します。また、通常、果実の外観を良くするために果実に紙袋をかけますが、山形のももはほとんどが無袋栽培。ずっと太陽光を浴びているので甘みが増すのは当然です。
 北の産地なので、8月から9月が山形のももの本番。これからの品種は、大玉で甘みが強い「川中島白桃」(8月末〜9月上旬)、上品な甘みの「ゆうぞら」(9月上〜中旬)、果肉が硬めの「美晴白桃」(9月上旬)がお薦めです。
「おいしいもも」の目利き
 果実の真上から見てまん丸のももを選びましょう。
 無袋栽培のももはずっと直射日光にさらされているため、果皮の色が暗い赤色で、表面に細かいひび割れが生じることもあります。それに対し袋を掛けたものはピンク色で果皮の表面も滑らかです。
 光センサー選果で甘さを保証して売っているものは確実です。

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りんご

新品種『昂林』
 山形のりんごは9月に入って「つがる」が収穫期を迎え、本格的な「旬」に入ります。りんごはお店に行くとほぼ一年中「ふじ」が出回っており旬のイメージが薄い果物ですが、9月〜10月にかけては「ふじ」にさきがけていろいろな品種がお店に並びます。これらの品種は濃厚な味の「ふじ」とは一味違うさわやかな味と香りが魅力です。
 この時期のりんごを買うときのポイントはお尻の色がわずかに黄緑色のものを選ぶこと。完全に黄色になっているものは果肉の水分が少なくなっている恐れがあります。9月〜10月の品種は旬が短いので、チャンスを逃さないようにお買い求め下さい。
品種
収穫期
食味の特徴
つがる 8月末〜9月中旬 酸味が少なく食べやすい
千秋 9月下旬〜10月上旬 歯ざわり良くジューシー甘味、酸味のバランス良い
昂林
「こうりん」
9月下旬〜10月上旬 「ふじ」に似て甘味が強い
紅玉 9月下旬〜10月上旬 アップルパイなど料理使うと酸味、香りが良い
主な産地:東根市 天童市 朝日町など村山盆地一円

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米 山形を代表するコメといえば「はえぬき」。平成19年度「米の食味ランキング」((財)日本穀物検定協会)では、「山形内陸はえぬき」が14年連続で最高位の「特A」ランクを獲得し、おコメ界の横綱「新潟魚沼コシヒカリ」と肩を並べる安定した実力が評価されました。
 山形の豊かな自然のもと、恵まれた環境で育まれた稲は、今が刈取り時期。生産者の米づくりにかけた情熱と誇りの結晶、艶やかに輝く新米の美味しい季節の到来です。
 コメは、その特性から「うるち米」、「もち米」に大別でき、その用途から「主食用」、「醸造用」、「加工用」等と様々な場面で利用されています。古くから日本人の主食として和食文化の中心に位置するとともに、日本酒に代表される醸造文化の主役ともいえるコメは、まさに日本文化の象徴といえます。
ごはんの栄養成分には誰もがビックリ!
 ごはんは、人間が活動するために欠かせない炭水化物を約75%も含んだエネルギーの塊です。これに加え、タンパク質や食物繊維、他に脂質、カルシウム、リン、鉄、ナトリウム、カリウム、ビタミンB1・B2・Eも含み、単一食品としては類をみないほど栄養素が豊富な食べ物なのです。
 この「ごはん」を主食とする日本型食生活は、肉、魚などの主菜と野菜などの副菜から構成され、栄養バランスがとれた理想的な食事です。主食でエネルギー、主菜で体をつくり、副菜で体の調子を整えましょう。

【おにぎりを食べよう!】
秋の一日、おにぎりを作って出かけてはいかが?
丸、三角、俵型、ボール型!? 定番の梅干し、焼きたらこ、おかか、しゃけ・・・etc.
あなたなら、何を入れますか?

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牛肉

牛肉 村山地域では肉用牛の生産も盛んに行われています。澄んだ空気、清流、気温較差の大きい気候風土等、自然豊かな環境のもと、生産農家は子牛を一頭一頭愛情込めて大切に手入れし、育てています。 
 このように育てあげられた牛は、肉質のきめが細かく脂肪はほどよい霜降りで、和牛独特の甘味もある牛肉となり、県内外からも高い評価を得ています。
 9月の第一日曜日には、「日本一の芋煮会」が開催され、馬見ヶ崎川の川原で直径5m余という日本一の大鍋で3万食の芋煮を作ります。このとき使われる牛肉は750kg!このイベントが行われると、いよいよ芋煮会シーズンの到来です。
いもこ汁
◆作り方
我が家のいも煮のスタイルは、それぞれ異なるでしょうが、川原でもOKのスタイルです。
[1] さといもは皮をむいて塩でもんでから、水洗いしておく。
[2] 牛肉は4cm長さに、ネギは斜め切り、こんにゃくは一口大にちぎる。
[3] 鍋に水を入れ、さといもとこんにゃくを煮る。
[4] さといもが柔らかくなったら牛肉を入れ、あくを取り、酒、砂糖、しょうゆを入れ、味を調える。
[5] 最後に、ねぎを加えて、火を止める。
*好みで、きのこ類、ごぼう、豆腐等を加える。

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