旬の農産物情報:8月

もも「いけだ」

ももの花▲ももの花
いけだ
▲いけだ
 「いけだ」は、8月下旬から収穫できる品種で、数ある品種の中でも「究極の味」を持つももです。果皮の表面に少しヒビが入るため見た目はイマイチですが、上品な甘さがあって多汁、加えて肉質も適度な歯ごたえがあり、食べた瞬間にそのおいしさの虜(とりこ)になってしまいます。

 東根市では、北限のもも産地として栽培に取り組んでいますが、その中でも「いけだ」は大富地区を中心に栽培されており、生産量が少ないため希少価値的な存在になっています。

 おいしい「いけだ」を選ぶポイントは、「表面の色の赤い部分が濃く、全体にうぶ毛が密生しているもの」で、収穫して2〜3日置いてから食べると最高の味に出会えます。

主な産地:東根市

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食用ぎく

 花を利用するきくは、8世紀後半に伝来したといわれています。芭蕉の「蝶もきて 酢を吸う菊の 酢和えかな」という句があり、江戸時代、すでに花びらが食用にされていたことがわかります。
 きくの中でも、苦味が少なく、甘味があり、香りの高いものが食用ぎくとして選ばれてきました。山形特産の食用ぎくは、「もってのほか(延命楽(えんめいらく))」に代表される紫色のきくと、「越天楽(えてんらく)」「寿(ことぶき)」「岩風(いわかぜ)」などの黄ぎくがあります。
 そのまま天ぷらにしたり、ゆでた花びらを、酢のもの、おひたし、サラダ、吸い物などに利用できます。ゆでるお湯に酢をたらすと色よく仕上がります。ゆですぎると歯ごたえがなくなるので注意します。漬物の素材としても好評です。
主な産地:山形市 上山市 天童市 寒河江市 中山町
 シーフードと食用ぎくのサラダ
【1】 酢を入れた熱湯で食用ぎくをさっとゆがき、ざるにとって冷ます。
【2】 冷凍のシーフードミックスをゆで、水気を切る。
【3】 【2】に【1】をほぐしながら加えて、好みのドレッシングで和える。
 ちらしご飯
【1】 炊き上がったご飯を寿司酢で和える。
【2】 ゆがいた食用ぎくと、ゆでた枝豆を散らす。

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さやいんげん

 さやいんげんはマメ科の仲間で、メキシコ南部から中央アメリカが原産地とされています。いんげんまめの若さやをそのまま利用するものです。
ビタミン類、カルシウム、食物繊維が豊富で、おいしく食べるコツは新鮮なものを調理することです。きれいな緑色で、皮につやと張りがあり、手で折ってみてポキッと歯切れのよい音のするものを選びます。
 さやいんげんはゆで加減、煮加減により若い人からお年寄りと世代にあった食べ方ができ、サラダや煮物、和え物、炒め物、汁の具、揚げ物など和洋中華料理に、また、漬物として粕漬けにと幅広く利用できます。
主な産地:山形市 上山市 大江町 朝日町
 さやいんげんの辛子醤油和え
【1】 さやいんげん200g(4人分)を塩ゆでにする。
【2】 醤油と練り辛子、塩で辛子醤油をつくり、さやいんげんを3〜4センチに切って和える。

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えだまめ

 えだまめは大豆を若もぎしたものですが、昔からえだまめ用として各地で専用の品種が栽培されてきました。山形県内では近年大ブレイクした「だだちゃまめ」が有名ですが、村山地域にもそれに劣らない優良品種があります。その名も「秘伝」えだまめ。この品種は収穫開始時期が9月20日頃と遅いため、なかなか評価されませんでしたが、一度食べると忘れられないほどの食味の良さで、じわじわと人気が上がってきています。主に河北町、寒河江市を中心とした西村山地域で作られていますが、秘伝に負けない食味をもつ8月下旬穫りの「晩酌茶豆」や「雪音」という品種も作り始めました。
主な産地:西村山地域
 おいしいゆで方
【1】 えだまめはザルにあけ塩を振って揉み洗いする。
【2】 十分な量のお湯を沸かし、沸騰したらえだまめを入れてゆでる。
【3】 時折さやを湯から取り上げ、豆をかじって固さを確かめながら4分程度をめどにゆで上げる。
【4】 ゆで上がったらザルにあけ、うちわでさやがさわれる程度まであおいでさます。

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ぶどう「デラウェア」

 山形のぶどうといえば、「デラウェア」。甘くておいしく、種がないので食べやすいのが人気の秘密。「デラウェア」は、県内ぶどう生産の約7割を占め、全国一の生産量です。
出回る時期はハウスもので6月中・下旬に始まり、露地ものが収穫を迎える旧盆前後が最盛期となります。
ぶどうは食べておいしいばかりでなく、ブドウ糖や果糖のほか、ビタミンやミネラルをたっぷり含んでいて、疲労回復、栄養補給に役立ちます。また、ブルーベリーやかきと同じようにポリフェノールを多く含み、抗酸化作用があり、心臓病の予防などにも効果的といわれています。ぜひ、山形のおいしいぶどうをご賞味ください。
主な産地:山形市 上山市 天童市 寒河江市
おいしいぶどうを選ぶコツ
  粒に張りがあって、色が濃い。
  軸が青々としている。
  果皮が白い粉(果粉)で覆われている。

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もも

 「山形のもも」を食べたことはありますか?知名度こそあまり高くありませんが、糖度の高さには自信があります。理由は山形の気候と栽培法へのこだわり。ももは収穫期に雨が降ると糖度が下がってしまうので、夏に雨が少ない日本海側の気候が意外と適しています。また、通常、果実の外観を良くするために果実に紙袋をかけて栽培しますが、山形のももはほとんどが無袋栽培。ずっと太陽光を浴びているので甘みが増すのは当然です。北の産地なので収穫期はやや遅く、8月に入ってからが山形のももの本番。品種では肉質が緻密な「あかつき」(8月)、大玉で甘みが強い「川中島白桃」(8月末〜9月上旬)、上品な甘みの「ゆうぞら」(9月上〜中旬)がお薦めです。
産地:東根市や天童市を中心とした村山全域
個性的な品種はいかが?
まだ生産量は少ない品種ですが「これがもも?」とおどろきのももです。
  果肉が山吹色 「黄金桃」(8月下旬〜9月上旬)
  外観がワインレッド 「いけだ」(8月中旬〜下旬)
  果肉が硬めの「美晴白桃」(9月上旬)

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牛肉

 村山地域では肉用牛の生産も盛んに行われております。自然豊かな環境のもと、生産農家は子牛を一頭一頭愛情込めて大切に手入れし、育てております。 
 このように育てあげられた牛は、肉質のきめが細かく脂肪はほどよい霜降りで、舌触りがまろやかなうえ和牛独特の甘味もある牛肉となり、県内外からも高い評価を得ております。なかでも、枝肉等級の上物は全国に名だたる「山形牛」と称され(総称山形牛)、日本を代表する牛肉といえましょう。
 村山地域の澄んだ空気、清流、気温較差の大きい盆地型の気候風土等の環境と、生産農家の高い飼養技術と情熱との賜物をぜひ御賞味ください。
今月のおすすめ
 夏バテ解消に焼肉はいかがですか。肉自体にうまみがあるので、塩・こしょうや、大根おろしと醤油でも、肉のうまみを堪能できるはず。おすすめは、塩だれ。市販の塩だれに、さらにレモン汁や青ねぎを加えると、さっぱりとおいしくいただけます。お好きな野菜もたくさん添えてどうぞ!
もう、よだれが・・・。

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