旬の農産物情報:7月

オクラ

 オクラはアフリカの北東部原産で、ハイビスカスやムクゲと同じアオイ科の仲間です。独特のぬめりがあり、ぬめりこそがペクチンなどの食物繊維で、整腸作用やコレステロールを減らす作用があります。カルシウム、カロチンも多く、夏ばて防止に効果的です。
 クセがないので、和え物、酢の物、汁の実、スープ、シチュー、バター炒め、サラダなどに幅広く利用できます。
 淡い黄色の花は早朝から午前中咲き、午後2時くらいにはしぼんでしまいます。その後さやは空に向かってグングン伸び、5〜7日で収穫します。アフリカ原産だけあって、水の量を極力少なくするのがポイントです。
主な産地:中山町
 オクラの味噌汁
【1】 味噌汁を作る(ふのりと豆腐など)。
【2】 塩ゆでにしたオクラを輪切りにして、よそう直前に味噌汁に加える。
 オクラの味噌だれがけ
【1】 オクラを塩ゆでする。
【2】 味噌、酒、砂糖で作った甘めの味噌だれをかける。

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かぼちゃ

 かぼちゃは、江戸時代に日本に広まった日本かぼちゃと明治から栽培が広まった西洋かぼちゃ、そうめんかぼちゃやズッキーニ等のペポかぼちゃの3種に分類されます。近年は、肉質が粉質で甘みの強い西洋かぼちゃが全盛となっており、村山地域でも西洋かぼちゃ系の品種が栽培されています。
 西村山地域では「ほほえみかぼちゃ」が作られており、ホクホク感がとりわけ強く、食べた人からは忘れられない味と評判になっています。このかぼちゃは花が咲いてから熟すまでの期間が45日と長く、収穫は早くても7月の下旬となります。店先で選ぶポイントは、果皮の光沢が落ち、軸の部分(矢印)がしっかりコルク化したものが完熟品です。
 かぼちゃスープ
材料:かぼちゃ300g、小麦粉大さじ3、バター大さじ3、スープ3カップ、牛乳1本、パセリ・塩少々
【1】 バターで小麦粉を軽くいため、薄く切ったかぼちゃを入れてさらに炒める。
【2】 【1】の中にスープを少しずついれ、やわらかくなるまで煮て、ミキサーにかける。
【3】 【2】の中に牛乳を入れて塩で味を調え、パセリのみじん切りを散らす。

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すいか

 アフリカ生まれのすいかは、今ではすっかり日本の夏の人気者。ウリ科の仲間で、西からきた瓜なので、西瓜(すいか)と呼ばれるようになったとか。
 赤い部分のほとんどは水分ですが、ミネラルやビタミン類を多く含み、まさに天然のスポーツドリンク。利尿効果が高く、腎臓病、高血圧にも効果があり、体を冷やす作用で夏バテや二日酔いにも効くようです。また、皮やタネにも効用があり、丸ごとすぐれものです。すいか糖やすいか飴等の加工品も利用できます。
 村山地域では、露地のトンネル栽培が主流ですが、ハウス栽培による早出しや遅出しも行われており、7月中旬〜8月下旬、9月下旬〜10月下旬に出荷されます。特に尾花沢市をはじめとして、大石田町、村山市で盛んに栽培されており、昼夜の温度差が甘〜いすいかを実らせます。
産地:尾花沢市 大石田町 村山市 山形市 上山市
おいしいすいかを食べるには
色つやが良く、縞がはっきりしているものを選ぶ。
カットされている場合は、タネが黒く熟しているものを選ぶ。また、日持ちしないので買ってきたらなるべく早く食べる。
食べる1〜2時間程前に冷蔵庫で冷やす。冷やしすぎは禁物。

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メロン

 メロンはすいかと同じウリ科の仲間で、原産はアフリカとされていますが、マクワウリなどアジアのメロンは系統が違うという説もあります。メロンにはいろいろな種類があり、これから出回る「アンデス」や「タカミ」、「ルイス」などの品種は、『露地メロン』に分類されます。村山地域では、主にトンネル栽培により、甘くておいしいメロンになるよう大切に育てています。出荷は、7月下旬〜8月下旬頃です。
食後のデザートに利用されるメロンですが、おいしいばかりでなく、カリウムやビタミンも多く、塩分排泄や利尿作用もあります。食べ頃は、花落ち部(尻の部分)が柔らかくなって香ればOK。
産地:尾花沢市 村山市 大石田町 寒河江市 河北町
 メロンキャンディー
メロンは生食が一番ですが、熟れすぎたり余ったりしたらこんな活用方法もあります
【1】 レモン汁、好みのリキュール(あれば)各大さじ1を、混ぜます。
【2】 メロンをスプーンで一口大に切り抜きます。
【3】 【2】を【1】に浸した後粉砂糖をまぶし、バットに並べてラップをして冷凍します。

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とうもろこし

 とうもろこしは、イネの仲間でアメリカ大陸が原産地です。糖分が多く、ビタミン類、リン、鉄を多く含みます。その他水に溶けない食物繊維も多く含み、栄養的に優れた夏野菜です。
 甘みは収穫後数時間で半分くらいに減ってしまいます。それは収穫してからも呼吸をしており、これに必要なエネルギーに自分の糖分を使ってしまうからです。低温にすることである程度防げますが、冷蔵庫に入れた場合でもできるだけ早く食べましょう。
 外皮がみずみずしい緑色で、頭部のひげ(めしべ)が豊かで茶色のものを選びます。頭の方までふくらみがあり、さわってみて手ごたえのあるものには実がよく入っています。
主な産地:河北町 山形市 上山市 天童市
 とうもろこしのひまわり蒸し
【1】 とうもろこしの実を取り(カップ2杯)、バットに入れ、水気をよくふきとり片栗粉をまぶす。
【2】 好みの青菜を4センチくらいに切っておく。
【3】 ボールに豚ひき肉、ねぎのみじん切り、塩少々、コショウ少々などを入れよく混ぜる。
【4】 【3】を団子状にしたものに【1】をまぶし丸め、蒸気のあがった蒸し器で約10分間蒸す。
【5】 【2】を少々の油で炒め、醤油などで味付けし、ザルにひろげる。
【6】 器に【4】を盛り、まわりに【5】の青菜を添える。

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なす

 なすはインド原産といわれ、奈良時代に中国から渡来しました。世界のなすは、大きさ、色、形がさまざまで、へたの色も多彩ですが、日本のなすは、へたの色、実の色は濃い紫色がほとんどです。形はさまざまで、地方には在来品種がたくさんあります。
 村山地域では、中なす(長卵形)の真仙中長や千両二号などの品種が多く栽培されています。ほかに丸なす、長なす、米なすなどもあります。炒め物や天ぷら、煮もの、蒸しもの、漬物と、いろいろ利用でき、まさに万能選手といったところです。
 一般に夏野菜は体を冷やす作用があるといわれますが、なすはその代表格です。のぼせや高血圧に効果があるとされています。
主な産地:山形市 河北町 大江町 村山市 尾花沢市
 なすとトマトの炒め煮
【1】 豚肉の薄切り肉を炒める。あればにんにくを好みで刻んで加える。
【2】 一口大に切ったなすを加えて炒める。
【3】 ざく切りにしたトマトを加える。
【4】 なすに火が通ったら、中濃ソースを回しかけてざっと混ぜる。
  *トマトの量の増減でスープ風にも。
  *豚肉の代わりに、ベーコンや、コンビーフも利用できます。

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つるむらさき

 緑茎種と紫茎種がありますが、近年は緑茎種が中心になっています。暑さに強く、蔓にすると数メートルに及びますが、つる先を摘みながら短くし、繰り返し収穫します。夏の健康野菜で、カルシウムはほうれんそうの約4倍、ビタミンCは約1.2倍もあり、鉄分やβカロチンも多く含みます。また、ぬめり成分のガラクタンは整腸作用やコレステロールを低下させる働きがあるといわれています。
 西村山地域(主に寒河江市)で作られていますが、大部分が施設内で作るため、特有のクセが少なく、食べやすいことが高く評価されてきました。出荷時期は5月中旬から11月頃まで長期間にわたっていますが、夏の健康野菜としてこれからが旬となります。
主な産地:寒河江市
 つるむらさきとエノキの炒め物
材料:つるむらさき300g、エノキダケ200g、チリメンジャコ40g、油大さじ2、酒大さじ1、塩・こしょう少々
【1】 中華なべに油を熱し、つるむらさきを入れ強火で炒める。
【2】 つるむらさきの緑色が鮮やかになって油が回ったら、根を切ったエノキとジャコを加えて大きく炒め合わせる。最後に酒と塩、こしょうをふって味を調える。

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じゃがいも

 じゃがいもはトマトと同じナス科の野菜で、南アメリカ原産です。日本へはオランダ人によって伝えられ、ジャワ島のジャカトラから来たので、じゃがたらいも。後につまって“じゃがいも”。また、馬につける鈴に似ているから“馬鈴薯”ともいわれます。
 ビタミンCが豊富でりんごの8倍もあり、加熱してもでん粉のガードによって損失が少なく、ゆでても5割以上も残ります。お馴染みの男爵、メークインに加えて、最近はキタアカリ(粉質、高ビタミンC、サラダ、コロッケ向き)、とうや(煮崩れ少ない、煮物、シチュー用)などのいろいろな品種が増えています。新じゃがの季節、いろいろお試しください。
主な産地:村山地域一円
 じゃがいものベーコン炒め
【1】 じゃがいもを食べやすい大きさに切って、塩を入れた水からゆで上げる。
【2】 インゲンを塩ゆでにしておく。
【3】 ベーコンを炒め、油が出たところで【1】【2】を加え、塩・こしょうで味を調える。ベーコンの油がなじんだらできあがり。

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すもも

 すももは、バラ科サクラ属の果樹で約30種からなりますが、よく知られているのはプルーンに代表されるヨーロッパスモモと、ニホンスモモとがあり、一般にすももと呼ばれるものは後者です。
ビタミンとミネラルが豊富で、生食のほかにジャムや果実酒としても利用され、果実酒は疲労回復に効果があるといわれています。食物繊維が多く、整腸作用がありますが、食べすぎには注意!
 7月上旬の「大石早生」から「ソルダム」、「太陽」と続き、9月中旬の「秋姫」まで出回る期間は長く、果肉のあざやかな色合い(鮮紅色、黄白色など)と、酸味のあるさわやかな食感は、夏の暑さを癒すのにもってこいの果実といえます。
産地:中山町を中心とした村山地域

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