旬の農産物情報:2月

五月菜

 五月菜は「くきたち」とも呼ばれるように、秋に種をまいたものが、越冬後気温が上がってくるとともに茎や葉が伸び、とう(花をつけた茎:菜の花)が立ってきたものを食用にする「つけな」の一種です。
 つけなとは、一般的にはアブラナ科野菜のうち、漬物や煮物に利用する結球しない葉菜類の総称です。
 冷涼な気候を好み、低温にも強いため、秋に種まきをして、秋から冬に小株のうちに収穫する方法と、翌春に若い花芽と花茎を利用する方法とがあります。
産地:村山地域一円
五月菜の煮物
◆作り方
[1] 五月菜をゆでて水気をきって、2cm長さに切る。油揚げはせん切りし、糸こんにゃくも適当な長さに切る。
[2] 鍋に油を熱し、打ち豆と五月菜とこんにゃくを炒め、醤油とみりんで調味し、炒め煮にし、最後にごま油を入れ味を整える。
五月菜の煮物
*五月菜の干したものを用いると違った味が楽しめます。干したものは熱湯に入れ、そのまま一晩水につけてもどします。

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はくさい

はくさい はくさいはアブラナ科の野菜で、結球するものと結球しないもの、さらにその中間の3タイプがあります。起源は地中海沿岸とされ、中国に渡ってから、長い年月を経て出来たと考えられています。
 冷涼な気候を好み、生育には18〜21℃、結球には15〜16℃と適温の範囲が狭い作物です。10℃以下になると大きくなりにくく、一方23℃以上になると、軟腐病という腐敗する病気が多くなってしまい、育てるには気むずかしい野菜なんです。
 はくさいは結球することによって貯蔵性が高まり、冬期間不足がちなビタミンCや食物繊維の補給源として、重要な役割を果たしてきました。寒いこの季節、鍋ものや煮もの、漬もの等でたっぷりいただきたいですね。
産地:村山地域一円
白菜のゴマみそ漬け
◆作り方
[1] ごまは炒ってすり、味噌、砂糖を加えてすり混ぜる。
[2] 白菜はかためにゆでて、荒熱が取れたら食べやすいように切って水気を絞る。
[3] [1]のごまみそに入れてあえ、重石をかけて1時間ほど漬けてから、汁気を軽く絞って器に盛る。
白菜のゴマみそ漬け
変わりたらちり風 *白菜漬けの古漬けを使って一品
◆作り方
[1]

白菜漬けは水洗いして水気を絞り、ざく切りにする。甘塩たらを一口大に切り熱湯に入れ、表面の色が変わったらざるに取り、フライパンにごま油を熱して炒め焼く。豆腐はやっこに切り、にらはざく切りにする。

[2] 鍋に甘塩たら、水、固形スープの素、酒、味噌、醤油、砂糖、豆板醤を入れ、煮立ったら白菜漬けと豆腐を加え、最後ににらを加えて一煮する。

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大豆(豆腐)

大豆(豆腐) 豆腐は「畑の肉」とも言われる大豆の代表的な製品の一つです。
 植物性タンパク質に富み、近年では健康の増進に役立つ機能性成分が注目されており、大衆食品から健康食品として新しい価値が認められるようになってきました。
 特に、ダイズイソフラボン類は骨粗鬆症に対する効果が明らかにされ、乳ガンなどの抑制作用もあるとされています。日本人のイソフラボン摂取量の50%以上は豆腐によるものです。
 村山地域では転作面積の拡大、「転作の本作化」等の動きもあり、大豆の生産が増えています。そのため、大豆を利用したみそ加工や豆腐作りなど各地で講習会が開催され、家庭でも比較的容易に作ることができると好評です。山形地方森林組合をはじめ、ホームセンターでも手作りキットが販売されています。
 豆腐を使った二次加工品も、毎日の食卓に欠かせないもので、色々な料理に使われています。
● 揚げたもの…油揚げ、厚揚げ、がんもどき
● 凍らせたもの…凍み豆腐
作ってみよう!手作り豆腐

◆材料(豆腐2丁分)
大豆300g、にがり9g、水2,200cc

◆作り方
[1] 大豆の容量の3倍の水に一晩浸ける。通常は、春秋季は15時間、夏季は8時間、冬季は20時間が目安。
手作り豆腐
[2]

水をきり、用意した2,200ccの水の一部を使って、数回に分けミキサーで細かく砕く。これを「呉汁」という。

[3] 残り水を沸騰させておき、それに呉汁を入れ、こげつかせないよう攪拌しながら沸騰させ3分程度煮る。
[4] 予め深めのバットに入れた「搾り器」に搾り袋をセットしておき、それに煮た呉汁を注ぎ、搾り器を使って豆乳とおからに分ける。
[5] 搾った豆乳を鍋に移し75℃に温め、予め150ccのぬるま湯で溶いておいたにがりをゆっくり8の字を書きながら2〜3回に分けて入れ、10分程度そのままにしておく。
[6] 10分程度すると豆乳が固形物とうわ澄み液に分離する。豆腐箱を水でぬらしてしぼった敷布をしき、穴空きしゃもじ等で、固形物を移す。敷布をかぶせ、上蓋をする。
[7] 蓋の上に800g程度の重石をのせ、10〜15分程度おく。その後箱ごと水の中に移して底板を外し、静かに布ごと箱から取り出す。
[8] 豆腐箱から取り出した豆腐は、20分程度そのまま水に浸けて出来上がり。途中2〜3回水をかえる。

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うるい

うるい うるいはユリ科ギボウシ属の山菜で、日本を始めアジア東部のみに分布しています。うるいの仲間のギボウシ類は20種類以上もあって、イングリッシュガーデン等で大人気の観賞用の品種もあります。
 全国的にはまだ知名度の低いうるいですが、葉が開く前の茎葉が1〜5月にかけて出回ります。春先植え付けた根の部分(根株)を秋に掘りあげて、冬季にハウスの中で大事に育てているのです。
独特のぬめり感やシャキシャキとした触感があり、味はクセがないので、おひたしやあらゆる料理に向きます。パスタや生野菜感覚でも食べることができる今までにない山菜なので、食卓を飾る一品や冬のお酒の肴としてお勧めです。くれぐれも、ゆですぎは禁物!
産地:山形市 寒河江市 上山市 尾花沢市 村山市 天童市 大石田町
うるいのサラダ
◆作り方
[1] うるい100gは根元の薄い皮を取り除き、3cmに切ってざるに入れ熱湯をかけ、すばやく冷水にとる。ざるにあげ水を切る。
[2] 玉ねぎ1個は、薄くスライスして水にさらし、ふきんに包んで堅く絞る。
[3] サラミ50gはせん切りする。
[4] うるい、オイルサーディン1缶、サラミ、玉ねぎ、フレンチドレッシング適量をあわせてざっくり混ぜる。
うるいのサラダ

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たらの芽

たらの芽 たらの芽は代表的な山菜で、たらの木(ウコギ科)の若芽をいいます。たらの木は、アジア各地、日本では北海道から沖縄の山地にふつうにはえる落葉低木で、枝数は少なく、茎葉に鋭いとげがあります。奈良時代から高級な野菜とされており、古くから珍重されてきました。近年はその香りとほろ苦い味から山菜の王様として需要が高まっています。
 西村山や北村山地域では栽培が盛んで、秋に畑で栽培したたらの木の枝を切り出し、ハウスを利用して促成栽培しており、冬から春にかけて収穫されて出回っています。故郷の味と春の香りを一足早く楽しめる食材として人気があります。
 天ぷらが代表的ですが、お浸し、和え物などいろいろな料理に使えます。
産地:村山市 大江町 朝日町 大石田町
たらの芽の料理法
◆作り方
[1]

たらの芽は、木皮の部分をとり、根元の苞(包んでいる皮)を取り除く。

[2] さっと洗った後、料理する。
[3] 衣をつけて天ぷらにしたり、たっぷりの湯に入れゆでて水にとって冷やしてから、ゴマ和え、クルミ和えなどの和え物にする。
*マヨネーズを加えた和え物や、ベーコン巻きも好まれます。

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